お城と御殿

「御殿」と聞いて何を想像しますか?
商売で儲けて建てた「○○御殿」、某テレビ番組、はたまたアウトレットのある「御殿」場などなど。
それぞれ思い浮かべたものは違うでしょうが、「大きくて立派なお家・建物」を想像した人が多いのではないでしょうか?
少なくとも、何も考えつかなかったという方はいないと思います。
辞書を引けば「貴人の邸宅」「豪華な邸宅」だそうです。(『新明解 国語辞典 第5版』)

このように、現代でも使う「御殿」ですが、お城めぐりをしていると頻繁に出てきます。
そして、「御殿」の語が示す意味も、お城と一緒に語られるときは、単に「豪華な邸宅」というよりも、特別な役割を持った建物を指します。

多くのお城には、御殿が建っていました。
全部のお城に御殿があった訳ではなく、また全てが御殿と呼ばれているものでもありません。
「広間」とか「書院」とか呼ばれていることもありますが、建物の役割、つまりその建物が何に使われていたのか?は同じです。
御殿では政治が行われ、また殿様のお家でもありました。
お城と言ったときに真っ先に思い浮かぶのが天守なので、政治も生活も天守で行われていたように思ってしまいます。ですが実は天守には、基本的に人はいなかったようです。(このあたりの話はまたいつか!)

地元のお城や、前に行ったことがあるお城に御殿はあったっけ?と思い返すと、御殿そのものを見たことがあまりないのではないでしょうか?
実は現存する御殿はごく限られていて、御殿が残っていないお城の方が圧倒的に多いです。
お城跡が公園になっているようなところで、やけにだだっ広い空間がある場所は、かつて御殿が建っていた場所だったなんてこともよくあります。また、御殿を復元して資料館にしているお城もありますよね。何かと話題の名古屋城も、御殿の復元工事の真っ最中です。

現存する御殿で一番有名なのは、京都の二条城ではないでしょうか。
あの建物を見て、「これがお城?」と思ってしまいますが、あれは天守ではなく御殿なんです。見学順路に沿っていくと、だいたい前半が政治のための部屋、後半が生活のための部屋になっています。そして敷地内にはちゃんと別に、天守が建っていた場所(天守台)が残っていますよ。

ここまでつらつらと御殿にについて書いてきましたが、何でかと言うと、次は御殿の一部を作りたいなと思っているからです。
お城というとやっぱり一番は天守で、あとはきっと現存する建物が少ないのもあって、陰に隠れてしまいがちな御殿ですが、独特の装飾や部屋の決まりなんかがあって、とってもおもしろい建物なんです!そして政治と生活の場だったので、そこではいろいろな出来事があったんだろうなと想像するのが楽しい!
例えば、先述した二条城では大政奉還が行われています。現在見学すると広く薄暗い空っぽの部屋ですが、激動の歴史の舞台なんです。時を経て同じ場に立っていると思うと、たまらない気持ちになります。

さて御殿を作りたい!と思っても、まずはあやふやな知識を整理せねば、ということで、まずはお勉強からです。日本の美術の方は1回読んでいますが、1回だけでは頭に入らず自分の知識にならないので、もう1回。